革靴が予想以上の雨に濡れてしまった場合、どのように乾かすべきか悩みますよね。
とくに梅雨の時期でも革靴を履かなければならない場合、濡れた革靴を正しく手入れできるかどうかは、革靴の寿命にも関わってきます。
そこで今回は、雨に濡れた革靴の手入れ方法について紹介します。雨染みや塩ふき、デコボコの対処法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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雨に濡れた革靴の手入れ方法
早速、雨に濡れた革靴の手入れ方法を紹介していきます。ステップ形式で順番に解説していくので、ぜひ同じように手入れしてみてください。
雨に濡れた革靴の手入れ手順は、以下の通りです。
step1.タオルドライ
step2.乾かす
step3.革用クリームを塗る
手入れ自体はたったの3ステップで簡単なのですが、乾かし方によってカチカチになって履けなくなることもあるので、注意点もあわせて解説していきます。
step1.タオルドライ
まずは濡れた革靴をタオルドライしましょう。このとき使うタオルは、汚れのついていないきれいなものが望ましいです。
というのも濡れた状態の革靴はとてもデリケートになっているので、汚れたタオルで拭くと、そのタオルの汚れが革靴にうつってしまうことがあります。
タオルで革靴全体の水分をできるだけ拭き取っておきます。靴底にゴミなどがついている場合は、ブラシなどを使って取り除いておきましょう。(そのまま乾くとこびりついてしまう可能性があります)
step2.乾かす
びちょびちょに濡れた状態の革靴であれば、中に新聞紙を詰めて乾かしましょう。このとき新聞紙を詰め込みすぎて、形がボコボコにならないように注意してください。
濡れた革靴は繊維が伸びた状態になっています。そのため、新聞紙を詰めすぎるとその方向に繊維が伸びてしまい、型崩れする可能性があります。
革靴を外からみたときに、形が変わらない程度に新聞紙を詰めて、壁に立てかけておきましょう。地面にべたっとつけた状態で乾かすと、乾きが遅くなるので必ず立てかけて乾かしてくださいね。
数時間ずつ様子をみながら、「新聞紙が濡れたら交換する」を繰り返して、新聞紙に水分がつかなくなる程度まで乾かしましょう。
もし木製のシューツリーを持っていれば、ある程度乾いたタイミングでいれておくと、シューツリー自体が湿気を吸収して早く乾かすことができて型崩れも防げます。
基本的に自然乾燥でOKですが、ある程度乾いたら、低温の靴乾燥機を使うのもありです。
次の日に履きたい場合や、早く乾かしたいときに使うと便利です。
繊細な革素材を使っている場合は注意が必要ですが、革靴に対応しているものであれば、低温で風を送ってくれるので早く乾かすことができます。
ただし早く乾かしたいからといって、ドライヤーを使うのはNGです。濡れた革靴をドライヤーで乾かすと、繊維が急激に収縮してカチカチになって履けなくなってしまいます。
仕事で必要な場合などで早く乾かしたいときは、ドライヤーは避けて靴乾燥機を使ってくださいね。
step3.革用クリームを塗る
完全に乾ききる前に、デリケートクリームを塗り込んでおきましょう。雨に濡れたあとの革靴のトラブルで多いのが「革が硬くなって履けない」ということです。
これは、革のしなやかさを保っていた油分と水分が雨と一緒に蒸発し、繊維が一気に収縮したときに起こります。
この状態を防ぐためにも、水分を多く含み、油分と保湿成分がバランスよく配合されている『デリケートクリーム』を塗り込んでおくのがおすすめです。
デリケートクリームは靴用クリームのなかでも特に水分が多く、ほどよい油分と保湿成分が含まれているので、雨に濡れた革靴が完全に乾く前に塗っておくことでカチカチになるのを防げます。
基本的にデリケートクリームであれば、そこまで違いはありませんので、以下のようなスタンダードなもので大丈夫です。
雨に濡れた革靴のトラブル3つ
雨に濡れた革靴を乾かしたとき、思わぬトラブルが起きることがあります。ここでは、雨に濡れた革靴に起こりやすい、代表的なトラブルと対処法を3つ紹介します。
雨で革靴にシミができた場合
雨に濡れた革靴にシミができた場合、ぬらしたキッチンペーパーを革靴全体に巻きつけて、革の表面を濡らしましょう。
「え?ぬらして大丈夫?」と思う人もいるかもしれませんが、そもそも『雨染み』というのは、ぬれている部分とぬれていない部分の境界線にできるものです。
雨染みになっている部分をみるとわかると思うのですが、境界線にくっきり線が入っていませんか?『雨染みは境界線にできる』ということは、境界線をなくしてしまえば雨染みもなくなるということです。
そこで、ぬらしたキッチンペーパーで革靴全体に水分を含ませ、軽く水気を拭き取ったら陰干ししておきましょう。一度で雨染みが消えない場合は、数回繰り返してみてください。それでも消えない頑固な雨染みは、クリーニングに出して丸洗いしてみるのもありです。
雨で革靴に塩ふきができた場合
濡れた革靴が乾いたとき、白い粉がふいた状態になることがあります。この白い粉の原因は、革の中に含まれている塩分や脂分です。
革を作る工程で使われた塩が残っていたり、足からでた汗によって蓄積した塩分や皮脂が、雨によって溶け出て乾き、白い粉の状態になります。
この白い粉は、靴用のクリーナーを使うと簡単に落とせます。「レザリアン」や「ステインリムーバー」などを使って、白い粉を拭き取りましょう。
靴用クリーナーを使ったあとは、通常の手入れに使うクリームを塗ってお手入れ完了です。
雨で革靴がボコボコになった場合
濡れた後の革靴の表面がボコボコになることを「銀浮き」と言います。これは、濡れた革の表面が均等に乾燥しなかったときや、水で浮き上がってきた革の汚れが、滞留した(とどまった)ことによっておこります。
銀浮きは水にぬれておこる現象なので、対処するときも水を使用します。用意するのは、「サフィール レノマット リムーバー」。クリーナーのなかでは強力タイプで、革の表面を均一にすっぴん状態にしていきます。
クリーナーで銀浮き部分の汚れをとったら、ぬらしたキッチンペーパーを貼り付けてしばらくおいておきます。革の表面が均等に濡れたら、銀浮きがなくなり平らの状態に戻ります。
表面が均一になったら、陰干しして乾かしておきましょう。
雨に濡れる前の予防方法
雨でも革靴を履かなければならない場合、できるだけぬれないように予防しておくことも大切です。
完全にぬらさないようにすることはできませんが、防水スプレーを吹きかけておくことで、ある程度は予防できるようになります。
個人的におすすめなのは、オールマイティな革に使えるコロニルの防水スプレーです。
値段は少し高めですが防水効果が長時間続くので、他の防水スプレーよりも優れているように感じています。20cmほど離した位置から少し湿るくらいスプレーして、20分程度乾かしましょう。
完全に乾くまで触らないようにして、もう一度スプレーします(2回繰り返す)。最後に布で乾拭きして完了です。
日常のケアも大切
革靴の雨対策は、日常のケアも大切です。というのも、日常から靴クリームを塗って手入れしていれば、革に油分が含まれている状態なので、雨をある程度弾くことができるからです。
逆に、全く手入れしていない革靴の場合、革が乾燥しているので水分をグングン含んでしまいます。革靴の手入れをしない状態で履き続けると、革が乾燥してひび割れやすくなったり、水分が染み込みやすくなったりして良いことは1つもありません^^;
面倒くさいと感じる人もいると思いますが、革靴を長持ちさせるためにも、日常のケアをするように心がけてみてくださいね。革靴の手入れについては、以下の記事に詳しく書いているので、あわせてご覧ください。
関連記事初心者でも簡単な革靴の手入れ|ピカピカになる靴磨きの方法を伝授!雨に強い革靴を用意しておくのがおすすめ
いくら雨予防をしていても、「朝から雨の日」や「土砂降りの雨」に普通の革靴を履くとだめになってしまう可能性もゼロではありません。
そのため、できれば雨に強い革靴を1足用意しておくのがおすすめです。最近では、各ブランドから雨用の革靴や、革靴のような見た目のレインシューズが販売されており、おしゃれなデザインの商品もたくさん出回っています。
雨に強い革靴を持っていないという人は、この機会に一度チェックしてみてください。
関連記事雨用のメンズ革靴ブランド12選|防水ビジネスシューズのおすすめを紹介雨に濡れた革靴の手入れ方法|雨染みができたときの対処はコレ!まとめ
雨に濡れた革靴は、型崩れに気をつけて自然乾燥で乾かしましょう。乾くまでの時間が長くなると、臭くなってしまうので、帰ったらすぐに対処することが大切です。
また、革靴が濡れた時のトラブルになりやすい、雨染みや塩ふき、デコボコなども、自分で対処することができます。
自分で対処しても消えない場合や、雨に濡れたあとから革靴が臭い場合などは、靴クリーニングにだすのがおすすめです。
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