革靴の手入れの基本|初心者でもできる簡単~本格的な靴磨き

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革靴は正しい手入れをすることでいい状態を保つことができます。

ただ、いいと思ってやっている手入れ方法に落とし穴があることも。

ここでは1足10年以上持たせることができている経験から得たテクニックや知識と、

元修理屋としてお客様の靴磨きをみてきた経験から初心者の時にこそ知っておいてほしい革靴の手入れ方法を紹介しています。

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▼その他の靴の手入れについて詳しく知りたい方▼
>>革靴の手入れの頻度は?簡単で長持ちさせるためのコツ5つ

革靴の手入れの方法とは

革靴は手入れしないで履き続けると、かなり寿命を縮めてしまうことになります。

とはいえ、修理に持ってくる人の紳士靴を見ていると、多くの方はクリームを塗りすぎているように思います。

油性のクリームを厚塗りしすぎたあげく革の表面がデコボコしていたり、クリーナーで落とすと布に大量の靴墨がとれる…なんてこともありました。

クリームを塗ることが靴磨きで重要なことと思っている人はたくさんいると思いますが、

靴磨きの基本は、ブラッシングを丁寧にすること。これだと思います。

もちろんクリームを塗って保湿することも大切ですが、まずはできる限り汚れをブラシで取る。

そして、革本来の持っている油分を出すのもブラシの役割の1つなのです。

とても簡単で、効果もあるのでぜひ忘れずにブラッシングするのを習慣にしましょう。

革靴の手入れは、

毎日の簡単な手入れ
1回の本格的な手入れ

を心がけることで、革にとっていい状態を保つことができます。

革にとっていい状態を保つことが結果的に革靴を長持ちさせるコツになるんです。

ではさっそく、毎日&月1回の手入れ方法を具体的に紹介していきます。

毎日の簡単なブラッシング

日常で履くたびに手入れするなんて、とってもめんどくさいですよね。

でも毎日3分くらいブラッシングするだけで革靴が長持ちするなら、コスパよくないですか?

ブラッシングの手順

日常の手入れとしてすることは次の2つだけ。

①シューツリーを入れておく
②全体を丁寧にブラッシング

毎日やっていくと必然と慣れると思いますし、youtubeなどでブラッシングの動画とかもたくさんあるので参考にするといいと思います。

しっかりとブラッシングしておけば、カビや汚れの原因となるホコリ・チリを溜めない綺麗な革の状態を保つことができます。

また、先ほど書いたようにブラッシングで革本来の油分を(多少)取り戻すことができるので、ツヤが出て革にとっていい状態になるのでやらないともったいないくらい。

ブラッシングする時のコツは

・シューツリーで履きジワを平らに
・ブラシは払うように使う
・細かい部分も丁寧にブラッシングする

こんな感じです。

後ほど紹介しますが、ホコリを払うブラシは馬毛がおすすめです。

毛足が柔らかく、程よい弾力で革の細かいところに入ったホコリを取ることができます。

ヌバックやスエードなどの起毛革はブラッシング後に防水スプレーを振って完了です。

本格的な手入れは月1回

革靴の手入れって、どのくらいの頻度ですればいいの?

という疑問をよく見かけます。

日常で革靴を履くなら、月に1回くらいクリームを塗って保湿しておきましょう。

革の状態を見てまだ大丈夫そうなら、きっかり月1回じゃなくてもOKです。

滅多に履かない革靴は半年に1回くらいはクリームを入れておくのがおすすめです。

必要な道具

革靴の手入れの道具は色々ありますが、最初からたくさん揃えるのは大変だと思います。

なので、最低限の道具をまずは揃えておき、もっとこだわりたいと思った時に買い足すようにするといいですよ。

月1回の本格的な靴磨きで必ず使うものは

・馬毛ブラシ(ホコリ取る用)
・豚毛ブラシ(クリームをなじませる用)
・布(使い古しのTシャツでも可)
・クリーナー
・乳化性クリーム
・シューツリー

です。

実際にどんなものなのか?どこのものがオススメかは後述していますのでこのまま読み進めてください。

以上の6つは、基本的な手入れに使うのでセットでもいいので揃えておくといいです。

また、百貨店や専門店で詳しい店員さんにオススメを聞くのもいいと思います。

あれば便利な道具

毎回使うものは限られていますが、よりこだわりたいのであれば以下の便利な道具も使用するのがおすすめです。

・ペネトレイトブラシ
・仕上げ用グローブ
・防水スプレー

ペネトレイトブラシは縫い目や折り目などの段差、メダリオン(飾り穴)などの細かいところまでクリームを塗ることができます。

布よりも簡単に細かいところにクリームを塗ることができるので、今はペネトレイトブラシを使うが主流のようですが、豚毛ブラシで細かいところも丁寧にブラシをかければ問題ありません。

また、仕上げ用のグローブはツヤが出やすいので揃えてもいいですが、綺麗な布やストッキングでも十分です。

靴修理屋さんに靴磨きを依頼すると、ほぼ必ず仕上げ用グローブで最後の磨きをしています。

これを使うことで、短時間で簡単に革のツヤを出すことができるからです。

本格的な手入れの手順

本格的な手入れでは、革が乾燥しないように保湿していきます。

また、前回の残ったクリームを取り除く工程も大切ですので下記の流れでやっていき、慣れていきましょう。

本格的な手入れの手順
①シューツリーを装着
②馬毛ブラシで汚れをとる
③クリーナーで汚れを分解
④乳化性クリームで保湿
⑤豚毛ブラシでクリームをなじませる
⑥布で乾拭き
⑦お好みで防水スプレー

ではそれぞれの工程を詳しく解説していきます。

①シューツリーを装着

月1回の本格的な手入れでは靴紐を外し、靴紐の下になっているベロ部分にも手入れしていきましょう。

靴紐を外したら、シューツリーを装着します。

シワにはホコリが溜まりやすい上に、シワの部分にクリームがちゃんと入っていないと、そこから乾燥して割れる原因になります。

シューツリーをつけることで指の付け根あたりについているシワを伸ばすことができます。

ただし、ちゃんとサイズの合うシューツリーを選ぶことが大切です。

木製のレッドシダーを使うことで、靴の臭いをとってくれる効果が期待できますよ。

②馬毛ブラシで汚れをとる

毎日の手入れでも書いたように、ブラッシングで汚れをとることがとても大切です。

勘違いしやすいのが、クリーナーで汚れをしっかり取ろうと思うこと。

クリーナーは、前回のクリームの残りをとる気持ちで、普段の蓄積した汚れはブラッシングでとる感覚の方がいいと思います。

あまり強い力入らず、シャッシャッとくまなくブラシをかけていきましょう。

③クリーナーで汚れを分解

ブラシをかけたら、クリーナーで前回のクリームの残りを取りましょう。

古いクリームが付着したままだと、クリームが劣化して革の呼吸を妨げてしまいます。

化粧落としというポジションですね。

指に巻きつけた布に少量のクリーナーをつけて、全体に伸ばしていきます。

あまり力を入れる必要はなく、なでるような感じで全体の汚れを拭き取れればOKです。

強いクリーナーは汚れが簡単に落ちて便利なのですが、革にとって必要な油分まで取り去ってしまいます。

そもそも保湿用のクリームを不必要に多く塗らなければ、強いクリーナーは必要ありません。

革の様子を見ながらクリーナーを使うと良いと思います。

④乳化性クリームで保湿

古いクリームを取り終えたら、次は乳化性クリームで革を保湿していきます。

先ほどのデリケートクリームには油分は入っていませんが、保湿用に使う乳化性クリームには油分が入っていますので、革にとっての保湿成分となってくれます。

乳化性クリームもたくさん塗る必要はありません。

一般的に、片足で米粒3~4程度と言われています。

革に浸透する油分以上のクリームを塗ると、余分なクリームが革の表面に残ってしまい革にとっての負担になります。

また、馴染んでいないクリームが革の表面に残っていることで、ホコリを付着させてしまい汚れの原因となってしまいます。

少ないかな?と思うくらいの量を、靴のシワのない部分から塗り始めていきます。

この時も、クルクルと小さな円を描くように優しく丁寧に伸ばしていきましょう。

途中で足りなくなったら、少しづつ足しながら全体に塗っていくようにします。

また、コバ(底の側面部分)も革でできている場合は、コバにもクリームを塗っておきましょう。

コバについては後ほど補足がありますので、読んでおいてくださいね。

色に関してですが、基本的には無色のニュートラルをオススメします。

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全体に色付きのクリームを塗る人もいますが、わたしは色が抜けたりはげたりしているところのみに色付きを塗る方法がおすすめです。

理由としては、無色のクリームでも色が戻ることがあるから。です。

革が乾燥している状態だと、色が薄くなることがあります。

その場合には無色のクリームを塗るだけでも表面の色が濃く、元の革の色に戻ることがあるのです。

なので、基本は無色のクリームを塗って、色が薄くなったり、無くなっているところのみに色付きのクリームを塗るようにするといいと思います。

⑤豚毛ブラシでクリームをなじませる

先ほど塗ったクリームを革の毛穴や細かいシワの中にも入れ込みます。

この時は毛足がちょっと固い豚毛ブラシが使いやすいです。

ホコリ落とし用のブラシと同じでもいいのですが、色付きのクリームを使うことがある場合、色がついてしまうので分けて使うようにしましょう。

少しだけ強めに、こちらも円を描くようにブラッシングしていきます。

大きく動かしながらも、全体をくまなくブラシが当たるようにしましょう。

わたしは円を描くようにブラッシングするのが好きですが、直線を往復させる人も多いですので、この辺りは好みでどうぞ。

ブラシをしていると、靴にツヤが出てくるのがわかると思います。

これはクリームに含まれているロウや油分が熱を帯びて光っている証拠です。

また、ある程度の熱を加えることでクリームが革に浸透しやすくなりますので、次の乾拭きでさらに磨きをかけていきましょう。

⑥布で乾拭き

クリームの付いていない綺麗な布で乾拭きをして仕上げていきます。
(ウエス、古いTシャツなどでOK)

先ほどのブラッシングの時と同じ原理で、少し熱を加えることで靴の艶出し効果が得られますので、やっていて楽しい工程となるかもしれません。

優しく革の表面を滑らせるような感じで、全体を乾拭きしていきます。

この時に、余分なクリームが布についてくれて、必要なクリームだけが革に残ります。

今回のようにクリームをごく少量で留めておけば、クリームが布についたとしてもかなり少ないと思います。

わたしはいつもほとんど布にクリームがつきません。

厚化粧は人間にとっても、革靴にとっても良くないってことですね。

⑦お好みで防水スプレー

最後に、防水スプレーを振って手入れ終了です。

わたしはあまり防水スプレーをする派ではありませんが、やっといた方がいいのかな?って思う方はしておきましょう。

防水スプレーをする時は30cmほど離した状態で、全体に吹きかけると表面が濡れた感じになります。

表面が乾くのを待ち、また防水スプレーをかける。これを3~4回繰り返します。

防水スプレーは表面に膜を張ることで外的な水を弾く仕組みなので、薄い膜を塗り重ねるイメージで数回繰り返すようにしましょう。

防水スプレーが乾いたら、乾拭きしてお手入れ終了です。

お疲れ様でした!!

慣れれば10~15分程度でできるようになりますので、月1程度のルーティーンにしてくださいね。

靴磨きの道具を揃えるのが面倒なら……

今回紹介したように、靴磨きにはたくさんの道具が必要です。

これから靴磨きを楽しみたいという人は、全て個別に揃えるのがおすすめですが、「そこまでお金かけたくない」という人もいますよね。

靴磨きに必要な道具を安く揃えたい人には、靴磨きセットがおすすめです。

必要な道具が一通り入っているのでバラバラに揃える必要がなくお財布に優しいうえに、購入の手間も減り一石二鳥です。

コバの手入れ

靴底も革でできている場合には、履いているうちにコバの色が取れてくるかもしれません。

多少の色落ちなら、コバと同じ色のクリームを塗ることで補色することが可能です。

底も革なので、同じ靴クリームで色がつけられるというのは納得ですよね。

もしクリームでは補えないほどの色落ちしてしまっている場合には、コバ用のインクで染めることができます。

コバの色落ちって意識していないことが多いですが、意外と見た目に影響しているんですよ。

コバに色が戻るだけでかなりしっかりとした印象に戻ると思います。

靴修理のお店でも同じようなコバインキを塗って、乾かしてからコバの磨きをバフ(毛が回転している機械)で仕上げます。

詳しいコバ磨きの方法はこちらの記事を参考にしてください。

鏡面磨きの方法

靴磨きに慣れてくると、つま先をピカピカにしてみたい!という欲望にかられるかもしれません。

つま先やかかとのみをピカピカにする手法を「鏡面磨き」と言います。

これは水滴をつけながら油性のワックスを、つま先とカカトに塗り重ねていくことで鏡のように反射するほどピカピカに磨いていくやり方です。

わかりやすい動画を見つけましたので、こちらを参考にするといいと思います。

ちょっと怪しいですがwとてもわかりやすいのでオススメです。

鏡面磨きはテクニックが必要で、力の加減が難しいかもしれません。

また、ワックスを使うことは革にとっては厚化粧となり、革の負担にもなり得ますので、留意しておきましょう。

雨に濡れた革靴の手入れ

突然の雨に降られたり、間違って水たまりを踏んでしまったり…

意図せず革靴が濡れてしまうことは、長く履いていると起こりえることですよね。

雨に濡れてしまった革靴は、とてもダメージを受けている状態。

とりあえず乾けばいいだろう!と濡れた革靴は急いで乾かそうとするとこれが逆効果で、下手すると履けなくなってしまいかねません。

ドライヤーやストーブの前に置いておくなど、急激に乾燥させることは革の負担になるのです。

そこで正しい対処をして、出来るだけ革にダメージが少ない自然乾燥で乾かしていくことが大切です。

以下の流れで乾かしましょう。

①濡れたところと濡れていないところの境界線をなくす
②表面についた水分を出来るだけ拭き取る
③通気性の良い場所で、乾きやすい置き方で乾かす
④保湿クリームを塗る

雨の日もいつもの革靴を履いている人は、『雨の日用』の靴を1つ用意するのがおすすめです。

長期間、手入れしてない革靴の手入れ

長い期間、放置している革靴はありませんか?

履かなくても革は乾燥していくので、ブラシでほこりをとり、クリームを塗ってあげることが大切です。

また、靴箱にしまいっぱなしはカビが生える原因となりますので、定期的に風に当てるようにしましょう。

もし長期間、手入れせずに革の表面がパリパリに乾いている感じなら、乳化性クリームよりもデリケートクリームを使いましょう。

この時は伸びがよく革に浸透しやすいモゥブレイのデリケートクリームがオススメです。

季節によって履き分けている革靴などは、しまいっぱなしではなく、思い出した時にチェックするようにしましょう。

革靴の手入れの基本|初心者でもできる簡単~本格的な靴磨きのまとめ

革靴の手入れは、何度もやっているうちに自分なりのやり方が出来てくると思います。

また手入れを定期的にすることで、普段はまじまじと見ることのない靴を見ますのでカカト修理のタイミングなどがわかり一石二鳥です。

しっかりとした革を使って、しっかり作られた革靴は10年以上履き続けることができます。

ぜひ定期的な靴磨きで、長く履ける美しい革靴を保ちましょう!

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この記事を書いた人
leathernokoto

靴修理3年、靴製造で1年ほど働いていました。

休みの日も工房にて革靴製造を教えてもらうという、革靴にどっぷりと浸かりまくった20代。

個人で革製品を製造・販売した経験アリ。

革の手入れや種類などはもちろんですが、革靴にまつわるコトや、ちょっとした小話なんかを発信していきます。

自分も知らないことがまだまだあるレザーの奥深さを皆さんと楽しんでいけたらと思っていますので、楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。

ヨーロッパと猫と旅が好き。

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さて、革靴の話をしよう

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