コスパ最強ブランドとして有名な『KENFORD』(ケンフォード)も他の革靴と同じく、履き込んでいくうちに修理するパーツが出てきます。
この記事では、高コスパブランドの代表ともいわれるケンフォードをより長く履くための、修理のタイミングや修理方法について紹介します。
そもそもケンフォードは修理できる?
結論からお伝えすると、ケンフォードは修理可能です。
ケンフォードは『セメンテッド製法』という作り方を採用しています。一般的に「セメンテッド製法の革靴は修理できない」といわれることがありますが、実際はちゃんと修理できますよ。
修理費用がそれなりにかかるので、安い靴の場合は新品を買った方が安いということもあります。セメンテッド製法の革靴は手頃な価格が多いので、結果として修理に出す人が少ないことも「修理できない」といわれる理由です。
なおメーカーであるリーガルの公式修理では、ケンフォードは受け付けてもらえないようです。
ケンフォードを修理するときは、近くの靴の修理屋さんに相談しましょう。
ケンフォードは傷みやすい?
実際に履いている人の口コミでは、ケンフォードの耐久性はもう少し高めの靴と遜色ないといわれています。
下の写真は、購入後1年経過したケンフォードです。使用頻度は週2~3日間、歩く距離は短めです。
歩き始めは少し堅く感じますが、靴の中やインソールが柔らかく、履き下ろし後すぐに足に馴染んでくれます。
着用後3か月程度で、インソールのかかと部分のスレが目立ってきました。
着用者の歩き方の影響が大きいためでしょう、カカトのすり減り、靴底の摩耗が進んできていますが、同価格帯の革靴と比べると減りが少ないです。
少し高めのリーガルと遜色ない程度ですね。
アッパーはさすがケンフォードです。同じ価格帯の革靴よりも質感が良い状態を維持できます。
ケンフォードの修理のタイミングは?
ケンフォードで傷みやすい部分は一般的な革靴と同じく「ソール」「ヒール(かかと)」「つま先」の3か所です。
それぞれのパーツごとに、修理出すべきタイミングを紹介します。
ソール
ソールがすり減り、路面の凹凸を拾う感触がでてきたら交換のサインです。そのまま使い続けるとソールに穴が開いてしまいます。
メンテナンスのときにソールを指で押してみて、ソールがへこむ感覚があれば交換しましょう。
ヒール(かかと)
階段を上るときに前を歩く人のかかとに目が行くことはありませんか?ヒールのすり減りは意外な所で他人から見えています。
ヒールは3段構造になっている製品が多く、1つのブロック(かたまり)の場合もあります。
上の写真では靴側からソール、ヒールリフト(ヒールベース)、トップリフトの順です。
トップリフトがすり減って、ヒールリフトが減り始める前に交換すれば、トップリフトの交換費用のみで安く済みます。
ヒールリフトが少しすり減った場合は、すり減った部分に革などを付け足す修理ができます。
つま先
つま先のすり減りも目立ちます。つま先がすり減りすぎるとソールが剥がれてくるなど、ソール全体を交換することになります。
つま先部分のすり減りは部分的に修理できます。
すり減ってきたけど修理するほどではないかも……という人は、自分ですり減りを補修する方法があります。
つま先だけでなく、かかとのすり減った部分を埋めることもできます。
革靴のソールのすり減った部分を埋める商品もあります。
とくに有名なのが、靴のDIY修理グッズとして有名な『シューグー』です。簡単にいえば、すり減った部分を足すゴム剤です。
ちょっとだけ修理したい、時間がない、修理費用を抑えたい、というときは簡単にDIYしてみるのも良いですね!ただし丁寧に作業しないと、いかにも「自分で直しました」という外観になってしまいます。
シューグーの使い方は下記のとおりです。
- すり減った部分にサンドペーパーまたはヤスリをかける
- シューグーを絞り出して、減っている部分にヘラで盛る
- 乾燥させる
- 全体が十分に乾いたら、サンドペーパーで凹凸をならす
キレイに埋めるときはコツがいる、完全に乾燥するまで日数がかかるなどのデメリットがありますが、修理に出すほどではないときには便利ですよ。
失敗しない使い方は、『シューグーで革靴のかかと修理|使い方と5つのコツ』の記事で紹介しています。
かかとを自分でDIY修理してみると(失敗例)
シューグーを使って失敗すると、上の写真のように汚い仕上がりになってしまいます。
こうならないように、次のポイントをおさえておきましょう!
- ヘラできちんと押しこむ
- 肉痩せ(乾燥すると嵩が減る)を想定して塗る
- 乾燥に日数がかかる
- 失敗すると直すのが大変
革靴のかかとに使われている素材にもよりますが、シューグーとの質感の違いがわかってしまう可能性があります。
コバインキで色合わせすると、かかと全体の色を統一できるので、併用するとより綺麗に仕上がると思います。
また、乾燥するのに思っている以上に時間がかかるので、乾燥時間が短い加熱タイプのシューグーSのほうが上手くいく人もいるかもしれません。
ケンフォードを修理する際の注意点
気に入ったケンフォードはキレイに修理したいですよね。
「やっぱりプロに修理してほしい」「自分でできるならDIYしてみる」というときのポイントです。
修理店に出す場合:靴代より高くなる可能性がある
プロの修理店に出す場合のメリットは、何といっても出来上がりの確かさです。安心してお任せできます。
デメリットは費用がかかることです。オールソールなどの修理は、靴本体の価格よりも高くなることがあります。
参考にリーガルの修理費用の一覧です。
その他の靴修理専門店やリペアショップでも対応可能ですので、ケンフォードの修理を考えたら一度店頭で相談してみてください。
リーガルリペア (2023年9月現在) | |
オールソール | |
革底 | ¥26,950 |
合成底 | ¥19,250 |
ヒール交換 | |
革積上げ | ¥6,600 |
ゴムヒール | ¥4,950 |
その他の修理 | |
トップリフト替え | ¥2,750 |
フルプロテクター(ゴム) | ¥3,850 |
中敷き替え(全敷) | ¥2,200 |
自分で修理する場合:うまくいかない可能性がある
自分で修理するメリットは安い・早いの2点ですが、失敗したときのデメリットもあります。
失敗しないためのコツは次のとおりです。
・丁寧に作業する
・皮革専用品を使う
・特に「皮革靴用以外の瞬間接着剤はNG!」
剥がれたソールの修理などには、瞬間接着剤が便利です。ただし「皮革用の瞬間接着剤」を使用しましょう。もしも接着部分以外のアッパーなどにつくと革が白く濁り、取ることができません。
ケンフォードの修理はどうする?タイミングや方法を紹介!まとめ
ケンフォードの革靴も修理は可能です。
ケンフォードは高コスパ靴の代表ですが、履き込んでいくと他の革靴と同じように傷みます。修理費用が高額になる前に、早めにパーツを交換したほうが結果的に安く済むこともあります。
ちょっとした修理であれば自分でも出来ますが慎重な作業が必要ですし、見た目が悪くなってしまう危険性があります。なるべくプロの修理店に持ち込んだほうが安心です。
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