最近ではメルカリやヤフオクで中古の靴が安く購入できたりするので、利用している人も多いのではないでしょうか?
私自身、昔は古着好きだったこともあり、中古の服や靴をよく買っていました。
ただ、中古の靴を購入するときは、注意した方が良いこともあります。
本記事では、元靴屋&靴修理の経験をしてきた私からみた、中古の靴を履くうえで注意したいことを紹介します。
購入した後にやっておきたい消毒方法なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
中古靴を履いて体に悪影響が出ないためにも、安心して履ける状態にしておきましょう!
▼関連記事▼
>>中古の革靴の手入れ方法|復活させるメンテナンスをご紹介
靴の中古はやめたほうがいい?

靴の中古は、「絶対履きたくない」という人もいれば「少し気になるけど履ける」という人もいて、微妙な立ち位置にいると思います。
個人的には廃盤のものや、レアなスニーカーなど、中古でしか手に入らない場合は仕方ないと思える派ですが、こればかりは人によるとしか言いようがありません。
靴を中古で買うことのおもなメリットは、安いことや廃盤モデルが買えることかと思いますが、デメリットに関しては何が思い浮かびますか?
元靴屋として、中古の靴を履くことの大きなデメリットは以下の2つだと思います。
・履きづらい
・水虫がうつる可能性がある
……どちらも嫌な予感がしますよね。
それぞれを詳しく解説します。
履きづらい
中古の靴は前の人が履いていた癖がついているため、履きづらいことが多いです。
前の人がどのくらい履いていたかにもよるので一概にはいえませんが、よく履かれていた靴ほど、歪みやねじれ、指のへこみの跡が強く残っています。
この「履きづらい」という感覚は体に悪影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
というのも、前の人の癖で歪んだ中古靴にあなたの体が合わせてしまい、その結果あなたの体が歪んでしまう可能性も十分あります。
歩き方によって「ねじれ」や「かかとの減り方」というのは、全く変わるものです。
突然激しく体が変化するわけではありませんが、気づかないうちに少しずつ歪んでしまいます。
試着のみや1回しか履いていないなどの場合は、新品同様と考えて大丈夫でしょう。
水虫がうつる可能性がある
もし、靴の前の持ち主が水虫だった場合、菌が残っていればうつる可能性があります。
水虫は「白癬菌」というカビの一種です。
ジメジメした靴の中はカビが生えやすく、通気性の悪い靴を履き続けると水虫になってしまいます。
水虫の菌は靴下やストッキングを履いていてもすり抜けられるので、たとえ前の持ち主が素足で履いていなくても、水虫になっていた場合は、十分注意しなければいけません。
靴に水虫が残る期間は「乾燥している状態で1ヶ月ほど」「湿っている状態で半年以上」といわれています。
なので前の持ち主が靴の中を手入れして、しっかり乾燥している状態が1ヶ月以上続いていれば、水虫のもとになる白癬菌はいないと考えられます。(とはいえ個人的には気持ち悪いですけど……)
さらに詳しい水虫の人の靴については、こちらの記事で解説しています。
ただし、白癬菌がいるからといって必ずしも水虫が発症するわけではありません。
白癬菌がついてから24時間以内に洗い流せば、水虫にはならないといわれています。
毎日お風呂に入って清潔にすることが大切ですね。
中古靴の消毒方法3つ

とはいえ、白癬菌は目に見えないので、中古で買った靴をそのまま履くのはおすすめしません。
中古靴を買ったあと必ずやっておきたいのが「消毒」です。
ただし、革靴や合皮に手指用のアルコール消毒はNGです。ひび割れ、色が落ち、シミの原因になるので注意しましょう。
中古靴の正しい消毒方法は、以下の3つです。
②靴乾燥機を使う
③靴用のアルコールスプレーをする
それぞれを詳しく紹介しますね。
中古靴の消毒方法①洗う
どんな靴でも、中までしっかり綺麗にするには洗うしかありません。
スニーカーなら洗濯洗剤でじゃぶじゃぶ洗って、しっかり乾かしましょう。
革靴の場合は『革靴用のシャンプー』を使って洗う方法もありますが、素人には難しいのでプロに任せるのがおすすめです。(自分で洗って失敗した経験あり^^;トホホ)
素材に合わせた洗浄液を使って、自宅では洗えない部分までしっかり洗浄してくれます。
適切に乾燥させるための設備も整っているので、中古で靴を買ったらまずはクリーニングに出しておきましょう。
おすすめのクリーニング店は以下の記事で紹介しています。
中古靴の消毒方法②靴乾燥機を使う
自然乾燥で靴の中までしっかり乾かすのは、実は難しいものです。
人の足は1日でコップ1杯分の汗をかくともいわれ、1日玄関に置いていても完全に乾いているとは限りません。
また、玄関は湿気のたまりやすい場所でもあるので、前の人の保管状況が悪く、過去にカビが生えたことがある場合は、湿度や温度の条件が揃えばカビが生える可能性があります。
そこで中古靴を買ったら、紫外線つきの靴乾燥機で、靴の中の菌を殺菌しましょう。
温風がでるだけの靴乾燥機でも良いのですが、水虫の疑いがある中古靴には紫外線付き一択です。
中敷をいれた状態と外した状態のどちらも紫外線に当てておきましょう。
※ちなみに天日干しでの紫外線殺菌は、つま先まで完全に直射日光を当てるのは難しい上に、素材の劣化の原因になります。
靴の中は筒状になっているので、天日干しで中までガッツリ紫外線をあてるのはおそらく不可能です。
中古靴の消毒方法③靴用のアルコールスプレーをする
本革や合皮の靴に手指用の消毒アルコールは使えないので、靴用のアルコールスプレーを使用しましょう。
靴用のアルコールスプレーは色々販売されていますが、私の一押しは断然こちらのモールドクリーナーです。
高い除菌力の有機ヨードがおもな成分として配合されているので、革を傷めずにカビ取りができます。
有機ヨードとは海草などに含まれる天然成分で、おもに昆布やわかめなどに含まれるミネラルのことです。
昭和生まれの人には、「ヨードチンキ」を思い出してもらうとわかりやすいかもしれません。
ヨードチンキのヨードはヨウ素のことで、その殺菌作用を利用して消毒薬として使用していたのです。
また、イソジンに含まれる「ポビドンヨード」もヨウ素の成分のことを指します。
(参考元:ヨードチンキ 、 ポビドンヨードってなに?)
人の体に使えるほど安全な殺菌成分なら、靴にも安心して使えますよね。
有機ヨードには、カビの表面の細胞膜を壊して除菌する効果があるので、靴の負担をおさえながらクリーニングできます。
中古靴以外の靴でも、梅雨の前や長期保管の前にシュッとふっておくと、カビの発生を最大限おさえてくれます。
商品ページに、カビの生えた靴に使用した実験結果が載っているので、どのくらい効果があったのか見てみてください。(多分びっくりしますよ…)
中古の革靴の手入れ方法は、以下の記事にまとめています。ぜひ参考にしてください。
関連記事中古の革靴の手入れ方法|復活させるメンテナンスをご紹介靴の中古はやめたほうがいい?中古靴の水虫対策を3つご紹介!まとめ
ということで今回は靴の中古はやめたほうがいいかどうかや、中古靴の水虫対策について紹介してきました。
中古靴は安くて入手困難なモデルを購入できるメリットがありつつも、前の人の癖や水虫には注意しなければいけません。
水虫対策としては、以下の3つが有効です。
②靴乾燥機を使う
③靴用のアルコールスプレーをする
中古靴を買ったら、まずは丸洗いしましょう。革靴の場合、自分で洗うのが難しければクリーニング店に依頼しましょう。
おすすめのクリーニング店は、こちらの「革靴のクリーニングの料金やサービス内容|おすすめ8社をご紹介!」で紹介しています。

また、日々のケアとして靴乾燥機を使ったり靴用のアルコールスプレーを使ったりして、水虫のもとである白癬菌を対処しましょう。
今回紹介した内容を参考に、中古で買った靴を安心して履けるように手入れしてくださいね。
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