小さい革靴を履いていると、足のあたる部分が痛くて他のことが考えられなくなるとき、ありますよね。
サイズの合わない革靴は靴擦れを起こしたり、指を完全に伸ばせないなど、長時間足を締めつけられることは体にも悪影響です。
そこで本記事では、小さくてきつい革靴を伸ばして履く方法を紹介します。
靴修理の仕事でやっていた方法や、注意点もまじえながら書いているので参考にしてくださいね。
ローファーが小さくて痛い場合にも使えるので、悩んでいる方は要チェックです!
革靴が小さくてきつい!
革靴の中には、「伸び止めテープ」や「型くずれ防止の芯材」が入っていて、これがあることで形をキープできるのですが、同時に伸びない原因でもあります。
また、革靴に使われている革によって、どのくらい伸びるかは違います。
今回紹介する方法は、確実に革を伸ばす方法ばかりです。まずは無理のない範囲でやってみて、様子を見てみましょう。
革靴を縦に伸ばすことはできる?
つま先からかかとまでの縦の長さを「足長(そくちょう)」といいますが、基本的に靴は縦方向には伸ばせません。
ですが、靴の前部分の横幅を伸ばすことでゆとりができ、足が前まで入るようになる可能性があります。
靴の前の方まで足が入るとかかとの方に余裕ができて、縦のキツさが軽減されることがあります。
とはいえ、快適に履けるほど伸ばせるかどうかはやってみないとわからないので、まずはこれから紹介する方法を試してみてください。
革靴の横幅を伸ばす方法4つ
革靴は無理して伸ばすと変なシワが入ったり、歪んだりする可能性があります。
無理して一気に伸ばさず、日数をかけて伸ばしてみてください。
また、革は元に戻る習性があるので、日にちが経つにつれて元の大きさに戻るかもしれません。きつくない程度まで伸びたら、すぐに履くようにしましょう。
革靴を伸ばす方法①革を柔らかくする
横幅のきつい革靴を伸ばす1つ目の方法が、革を柔らかくして伸ばすことです。革靴を履いた時に指が当たる部分に、繊維をほぐすローションを塗ることで革が伸びやすくなります。
通常の靴用クリームやオイルでも、多少革を伸ばすことは可能ですが、時間がかかってしまいます。「すぐに履きたいけど痛くて履けない」という革靴や、「どうしても指が当たって痛い」という革靴には、レザードレッシングという『革用の柔軟剤』がオススメです。
革用グッズと考えると値段は少々高めですが、革靴を買い換えることを思えば安い買い物かなと思います。また、保湿効果も高いので、しばらく靴の手入れをしなくて良いというメリットも有ります。
使い方は簡単で、足が当たって痛い部分や、きつくて感じる部分にレザードレッシングを塗ってから、内側から指の腹で力を込めて外向きに押します。(レザードレッシングは外側から塗って大丈夫ですが、一応見えないところに塗ってみて確認しておくと安心です)
レザードレッシングを塗った状態で、靴の内側からぐっと外に向けて革を押すことにより、「繊維がほぐれた状態」で伸ばしていることになるので、クリームやオイルよりも早く伸ばす効果に期待できます。靴の内側から押す時は、指を折り曲げて指の関節で強めに押しつつ、少しポイントをずらしていくのがコツです。
ちなみにレザードレッシングは、革ジャンを伸ばす方法としても使えますよ。
革靴を伸ばす方法②シューズストレッチャーを使用する
指が曲がって履けないほど小さい革靴の場合は、シューズストレッチャーで幅を広げるのがおすすめです。シューズストレッチャーは、靴の中に装置を入れて「外向きに広げた状態でキープして革を伸ばす」というものです。
靴の中に固定して伸ばす方法なので革に少し負担はかかりますが、2週間ほど様子を見ながらちょっとずつ広げていけば問題ありません。数日つけたら試し履きをしてみて、どのくらい革を伸ばすかを調整してみると失敗が少ないです。
ちなみに、靴修理屋さんにサイズ調整で持っていくと、これと同じ方法で(器械は違いますが)靴の幅を伸ばしてくれます。
他の靴にも使い回せて、数回使えばお店に出す金額より安くなるのでコスパも良いでしょう◎ダボ(部分的につける小さなパーツ)のつけ方によって、痛い部分を重点的に広げられるのもポイントです。
具体的には、「小指側が痛ければ、小指部分にダボをつける」という感じで使います。ただし、急にサイズを大きくするのは革靴への負担がかかるので、必ず数日にわけて少しずつ伸ばしていくようにしてくださいね。
ちなみに、100均のシューキーパー(こんなやつ)で幅を広げる場合は、「革靴のサイズがかなり小さい」か「形が合うもの」じゃないと難しいです。
部分的に当たって痛い場合はポイントストレッチャーがおすすめ
親指や小指の付け根が当たって痛い人や、外反母趾の人にはピンポイントで革が伸ばせるポイントストレッチャーがおすすめです。ポイントストレッチャーは、その名前のとおり部分的に革を伸ばせるグッズです。
ポイントストレッチャーを使えば必要な部分のみ伸ばせるので、「全体的には良いけど、部分的に当たって痛い」というときにピッタリです。
使い方は簡単で、伸ばしたい場所を挟んで握るだけ。結構かたい革も伸ばすことができますよ。(シワが入る可能性があるので注意が必要ですが)
私が靴修理店で働いていた時は、かなり硬いHARUTA(ハルタ)のローファーなどのガラスレザーの靴もポイントストレッチャーを使って伸ばしてました。
ポイントストレッチャーは値段が少し高いのですが、外反母趾や足の形が特殊で、「どの靴を履いても部分的に当たって痛い」という人は1つ持っておくと重宝すると思います。
革靴を伸ばす方法③新聞紙を詰める
もしわざわざ道具を買うほどでもないという方は、固く丸めた新聞紙を詰めて伸ばすという方法もあります。ここまで紹介した革靴の伸ばし方よりも効果は出づらいかもしれませんが、手軽にできるのでトライしてみる価値はあると思います。
やり方は簡単で、靴のきつい場所にあたるように新聞紙をパンパンにつめます。ただし、丸めた新聞紙のシワが靴の形に凸凹に出ないように気をつけましょう。また、新聞のインクが色移りする可能性もあるので、ビニール袋に入れるか、外側に白い紙を巻いて直接靴の内側に当たらないようにすると良いです。
革靴を伸ばす方法④ドライヤーを使う
革はあたたまると柔らかくなるので、伸びやすいという特徴があります。その特徴を利用して、ドライヤーで温めた革を押して伸ばすという方法もあります。
温まっている状態の革に力を加えることで、革が伸びるのを期待できます。こちらも靴修理のお店で実際にやる方法で、ドライヤーではありませんが、温風がでる機械で革をあたためることがよくあります。
ただし、革靴にドライアーを当てることにはデメリットもあり、以下のような注意点に気をつける必要があります。
・外側からやると変色する可能性がある
・中敷の接着がはがれる可能性がある
もっとも気をつけるべきは、温めすぎないことです。温めすぎると革が乾燥して、ヒビ割れや劣化の原因になります。ドライヤーを使ったあとは、乾燥を防ぐために靴クリームを塗って保湿しておきましょう。
革靴の甲を伸ばすことはできる?
足の甲が革靴に当たって痛い場合は、先ほど紹介したシューズストレッチャーを使って伸ばすことができます。ただし、「ダボ」と呼ばれる付属のパーツがないシューズストレッチャーでは、甲を伸ばすことはできません。
甲を伸ばしたい場合は、「甲部分にもダボがつけられるシューズストレッチャー」を用意しましょう。
ローファーを伸ばすときの注意点
上記で紹介したように、ローファーを伸ばしたい場合にはポイントストレッチャーを使うのが個人的には最もよいと思っています。
というのも、ローファーは靴紐がないタイプの靴なので、「甲」と「親指〜小指にかけての横幅」と「かかと」で足が抜けないように留まっています。
なので、履き口を伸ばしすぎると今度は足が留まる部分がなくなり、スポスポ抜けてしまうということが起こります。
「ローファーが痛いから伸ばしたい!」と思っても、必要ない部分まで伸ばしてしまうと、これまたサイズが合わない原因になってしまいます・・
その点、ポイントストレッチャーなら履き口を伸ばすことなく、当たって痛い部分のみ伸ばすことができるので、ローファーに最も適しているサイズ調整方法だといえるのです。(個人的な見解です)
革靴がきつい時の馴染むまでの履き方と対処法
どうしても革靴がきついけど、履かなければいけないときの対策を紹介します。
スポーツをする人にも人気の靴擦れ専用のクリームです。安い靴なら1足買えてしまう値段なので、果たしてこれを買う必要があるのかは考える必要がありますが、効果には期待できるでしょう。
靴擦れ用のキズパワーパッドは、登山や旅行など、長時間靴を履き続ける時でも擦れに耐えられると人気の高い絆創膏です。100均などの普通の絆創膏を貼っても、クルクルとすぐに剥がれてくるので、厚めのキズパワーパッドがおすすめです。
ただ、この商品も条件によっては剥がれてしまうので、完璧に靴擦れが防げるとはいえなかもしれません。でも他の絆創膏貼るよりは、靴との摩擦を抑える能力が高くておすすめです。
革靴が小さくてきつい!横幅を伸ばす方法と馴染むまでの履き方をご紹介まとめ
きつい革靴を履くのは本当に苦痛です。
今回紹介した方法で小さくてきつい革靴のサイズを大きくして、足に合うようにしてみてくださいね。
参考になれば幸いです。
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