革靴にとって雨は天敵です。大雨の日は底から水が滲み出てくることも考えられます。また、その後の手入れ次第で革の表面にシミができることもありえます。
朝から雨が降っていたり、天気予報が大雨だといっている場合には「雨の日用の靴」を履けば良いのですが、一般的に雨は突然降ってくることが多いでしょう。
急に大雨が降る日本のような環境でも「ウエストンのゴルフは雨でも問題なく履ける」「ゴルフは雨の日用の靴になる」という意見がネット上で散見されます。
はたしてゴルフは本当に雨の日に履けるのでしょうか。その点について本文で説明いたします。ぜひ最後までお読みください。
ウエストンのゴルフは雨の日でも履ける?
ゴルフは多少の雨なら問題なく履けるという意見があります。確かにこの靴は水に強いラバーソールですし、表革の素材はロシアンカーフという比較的耐水性の高いものが使われている堅牢な靴です。
ただし、この意見は靴に多少汚れやシミができても気にしない人の履き方です。ゴルフはゴアテックス素材のような雨用の靴ではないのです。
というのもウエストンのゴルフは「雨の日用の靴」にするには高価すぎる靴です。体感的にも耐水性は一般的なラバーソールの革靴より雨に強いという程度に感じます。
またロシアンカーフもそれほど耐水性が高い素材のようには感じません。日本のような大雨の降る環境で、ゴルフを履くにはそれなりに神経を使います。
以上の点から、筆者はゴルフを「雨の日用の靴」として使うには無理があると感じます。
(*なお、ゴルフにはロシアンカーフでない靴も多数存在します。詳しくは直営店などにお問い合わせ願います)
*上の写真は20年以上前に購入したゴルフです。ロシアンカーフが使われています。
雨に濡れたゴルフの手入れ方法
ゴルフにかかわらず、一般的に雨に濡れた革靴の手入れは最初に靴についた水滴を優しく拭き取ります。その次に靴の中の湿気をとって乾燥させることが大切です。
①表面の水分を拭き取る
最初にやることは靴の表面についた水滴を拭き取ることです。革靴を濡れたままにしておくと、シミやヒビ割れの原因となるからです。
その際は靴を擦らずに水分をタオルに吸わせるようにしましょう。
②靴の中の湿気を取り乾燥させる
次に革靴の中の水分や湿気をとるために丸めた新聞紙などを靴の中に詰めます。このとき詰め物がボコボコしないように注意が必要です。また靴につめた新聞紙等はまめに取り替えましょう。
また中敷が外せるタイプのものは外して乾燥させましょう。あと、意外と忘れがちなのが靴紐の手入れです。靴紐も濡れた場合は乾燥させることが大切です。
③保湿用の靴クリームを塗る
靴が乾燥したら、保湿用の靴クリームを塗っておきましょう。革の表面から油分が抜けてしまっているからです。
なお、この工程を怠ると革がひび割れてしまいますので要注意です。
また、作業中は靴にシューキーパーを入れておくと良いでしょう。靴のシワを伸ばすためにも必要な工程です。
雨に濡れたゴルフを早く乾かす方法
雨に濡れたゴルフを乾かす際に、時間がかかると臭いやカビが発生する可能性が高まります。かといってドライヤーで急激に靴を乾かすのは絶対にやってはいけません。
急な乾燥は革が縮んで、型崩れの原因になるからです。以下に示す方法なら比較的安全に革靴を早く乾かすことができます。
革靴対応の靴乾燥機を使う
乾燥機の中には「革靴モード」が付いているものや靴用の乾燥機があります。これを使うことで靴を傷めずに臭いや湿気をとることができます。また靴箱の湿気をとるのにも重宝します。
つま先かカカトを浮かせた状態で乾かす
靴を乾燥させる際には、床面にそのままおいてしまうと乾く前に時間がかかってしまいます。そのため、カカトを少し浮かせることで底面の湿気を取りましょう。この作業を怠ると臭いやカビの原因となりますので要注意です。
ウエストンのゴルフが雨でも履けるって本当?濡れたらどうする?まとめ
ゴルフを雨靴にするのは個人的におすすめできません。霧雨程度ならまだしも、日本の梅雨のような強い雨にはやはりロシアンカーフでもシミになる可能性大です。
雨の日には「雨の日用の靴」を用意するのが一番です。それでも天気の急変で大切な革靴が濡れてしまうことも考えられます。
ゴルフが雨に濡れてしまった場合にも、他の革靴と同様の手入れが必要です。表面の水分をとり、靴の中を十分に乾かす必要があります。
その上で保湿用のクリームを塗って大切な靴を労わりたいものです。ゴルフのような革靴は手入れ次第で何年でも履ける靴なのですから。
コメント