レッドウィングに使われている革は厚みがあり、オイルをしっかり含んだ状態をキープするため、通常の革靴よりも手入れの頻度は低めです。
とはいえ、どの程度が “塗りすぎ”になるのかわからない人も多いと思います。
そこで今回は、レッドウィングにオイルを塗りすぎるとどうなるのかや、オイルを塗りすぎかどうかを確認する方法について紹介します。
「レッドウィングにオイルを塗りすぎたかも・・!」という人は、ぜひ参考にしてください。
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レッドウィングにオイルを塗りすぎるとどうなる?
レッドウィングのようなワークブーツは、男らしくガシガシ履ける一方で、オイルやクリームによる手入れが欠かせません。
しかしオイルやクリームを塗りすぎると、次のようなことが起こりやすくなります。
カビが生えやすくなる
レッドウィングにオイルを塗りすぎると、カビが生えやすくなります。
といっても、「塗りすぎた」ことだけでカビが生えるという意味ではありません。
カビが生えるのは、「水分」「温度」「栄養(エサ)」の3つの条件が揃った時です。
オイルを塗りすぎることで、レッドウィングの革の中に大量の水分と油分を入れ込むことになります。
革に住み着いたカビの元となる微細菌は、一定の温度以上になった時、目に見えるほど爆発的に増殖してしまいます。
また、ミンクオイルのように動物性の油はカビがとくに好む「エサ」となり、内側からカビる可能性もあります。
型崩れしやすくなる
オイルを塗りすぎた革はフニャフニャに柔らかくなってしまいます。
レッドウィングに使われている革は厚く、(新品状態では靴擦れを起こすほど)硬いので、一般的なオイルの塗り方で型崩れを起こすとは考えにくいです。
しかし、かなり長く履いた場合や、オイルにどっぷりつけるなど(笑)の冒険をした場合は、オイルの塗りすぎで型崩れする可能性もあります。
表面がベタつく
基本的に革という素材は、必要なオイル量しか吸い込むことができません。
オイルを塗りすぎるということは、革に浸透しきれないオイルが表面にとどまったままの状態になるということです。
となると、革の表面はオイルでベタつき、さらにホコリや汚れがつきやすくなります。
(ホコリや汚れはカビの栄養となるので、悪循環になります。)
ズボンの裾(すそ)が汚れやすくなる
レッドウィング にはオックスフォードのような短靴のモデルもありますが、6インチ丈や8インチ丈のようにくるぶしより上に長いモデルのものも多いです。
6インチ丈や8インチ丈の場合、ズボンの裾をレッドウィングにかぶせたり、トップラインギリギリでロールアップしたりして履いている人も多いですよね。
そんな感じで履いていると、ズボンの裾とレッドウィングがこすれることになるので、オイルを塗りすぎているとズボンの裾にオイルがつきやすくなります。
多少のこすれなら問題なくても何度も同じ部分がこすれるうちに、ズボンのその部分だけが汚れてしまうことがあります。
※オイルだけではなく、摩擦による革の色自体がつきやすくなるので要注意です><
傷つきやすくなる
オイルを塗りすぎると革が柔らかくなるのは前述のとおりですが、柔らかくなった革には傷がつきやすくなります。
オイルドレザーは傷が目立ちにくいものの、いざオイルが抜けたときに、傷だけが残ってしまった・・ということになりかねません。
表面に軽くシャッとついた程度の傷ならこすって消えることもありますが、激しい傷を消すことは難しいです。
「レッドウィングはエイジングした状態がかっこいい」というのには激しく同意しますが、傷だらけ=エイジングではないので気をつけたいところですね。
オイルを塗りすぎたレッドウイングは元に戻せる?
結論からいうと、オイルを塗りすぎたレッドウイングを元に戻すのはとても難しいです。
とはいえ、”塗りすぎた量”にもよるので一概には言えませんが・・明らかにデロデロになって型崩れしている状態であれば、元に戻すのは無理だと思います。
ただ、時間をかけて(場合によっては数年単位で)自然乾燥することで、ゆっくりと革からオイルや水分が抜けて、元の状態に戻ることもあります。
そもそも革は製造工程でオイルを入れ、乾燥させて作られています。なので、自然にオイルを逃すことで、本来の革の状態を目指すことができます。
※ただし、オイルの多い革にはカビが生えやすいので、必ず風通しのよい日陰で保管しましょう。
他にも、のちほど紹介する丸洗いする方法によって、塗りすぎたオイルをレッドウィングから抜くことも可能です。
レッドウィングにオイルを塗りすぎたかどうか確認する方法
レッドウィングにオイルを塗りすぎた場合、以下のような状態が見られることがあります。
・表面が白っぽくなる
・ブラッシングしても光沢がでない
・革の表面がボロボロになる
レッドウィングにオイルを塗りすぎた場合、時間が経つと革の表面が白っぽくなることがあります。
これは革の内部まで浸透しなかったオイルに含まれた「ロウ」が表面に残り、冷えて固まったものと考えられます。
とくにシワ部分は奥までブラシをかけられていないことも多く、白っぽくなりやすいです。
また、オイル過多の状態でブラッシングをかけても光沢を出すことができないので、見た目がマットな状態になってしまいます。
万が一、使っているオイルに鉱物系の成分が含まれている場合、長期間の使用によって革が劣化してボロボロに割れてしまうこともあります。
レッドウイングに塗りすぎたオイルを抜く(元に戻す)方法を紹介
レッドウィングに塗りすぎたオイルを抜くには、丸洗いする方法が有効です。
革靴を丸洗いしたことがある人は少ないと思いますが、オイルを革の繊維から抜いて元の状態に戻すにはこの方法がもっとも効果的といえます。
レッドウィングを丸洗いする手順
レッドウィングを丸洗いする場合、まずは必要な道具を揃えましょう。
・歯ブラシ
・レッドウィングが完全に浸かるバケツ
・空のペットボトル
・レザークリーナー
・革用ブラシ(スポンジでもOK)
・不要なタオル、新聞紙
・デリケートクリーム
・オイルやクリーム
手順を紹介しながらおすすめの商品なども解説していきます。
手順①まずはサッと洗う
まずはレッドウィングの表面に付いている汚れを落としていきます。
靴紐を外したら、水で軽く洗い流しましょう。ブラシでベロ(靴紐の下の折りたたまれた部分)の隙間や、コバとの境目などの汚れもかきだしておきます。
このとき使うブラシは汚れを落とすだけなので、100均などで売ってるような爪を洗うブラシや歯ブラシでOKです。
手順②どぶ漬けにする
次に、レッドウィングを完全に水に浸けておきます。どのくらいで浸透するかは革によりますが、だいたい半日〜1日程度で革の内部まで水が染み込みます。
35〜40度程度のぬるま湯にすると、オイルが抜けやすくなります。
※このとき、中途半端に濡れた状態にするとシミができます。必ず革が完全に濡れるまで水に浸けておきましょう。
ぷかぷか浮いてくるのを防ぐために、水を入れたペットボトルを重しにして、半日〜1日放置します。
手順③クリーナーを使って洗う
革用のクリーナーを使ってレッドウィングを洗っていきます。
靴丸洗い用のクリーナーは色々販売されていますが、レッドウィングを愛用している人に人気の高いレクソルがおすすめです。
レクソルを水で溶いてブラシにつけ、優しくこするように全体をくまなく洗っていきます。
手順④乾燥させる
全体を洗い終えたら水ですすぎ、タオルで余計な水分を拭き取ります。
(レクソルは革に残っても大丈夫な成分でできているので、すすぎ残しがあっても問題ありません)
出来るだけしっかりタオルで水分を拭き取ったら、中に新聞紙を入れて乾かします。
新聞紙だけだと色移りする可能性があるので、できれば一番外側だけキッチンペーパーを巻きつけるのがおすすめです。
時間や日数がかかるほどカビが生えやすくなるので、必ず風通しのよい日陰に置いて乾かします。(直射日光はNG)
手順④デリケートクリームを塗る
半乾きの状態でデリケートクリームを塗っておきます。革は完全に乾いてしまうと繊維が収縮した状態になるので劣化しやすくなります。
あまりにも濡れている状態では推奨できませんが、「まだ湿気ってるかな?」くらいのタイミングでデリケートクリームを塗っておきましょう。
レクソルコンディショナーをお持ちならそちらでも良いですが、なかなか手に入らないのでデリケートクリームの方が安価で買いやすいと思います。
手順⑤オイルやクリームでケアする
完全に乾いたら、いつも使っているオイルやクリームを塗って完了です!
オイルやクリームは少量ずつ円を描くようにこすり、足りなければ足しつつ全体に塗り広げるようにしましょう。
「少ないかな?」「足りないかな?」と感じる程度でOKです。
水にどぶ漬けする思い切りや、カビが生えないような乾燥方法など、少々レベルが高くリスクが伴います。
もし自分でやるのが不安な人は、必ずプロの靴クリーニングに依頼しましょう。
靴クリーニングは数千円しますが、ケチって中途半端に丸洗いして履けなくなったら元も子もありません。
大切なレッドウィングを長く履き続けたい人は、靴クリーニングを利用する方が安心です。
関連記事革靴のクリーニングの料金やサービス内容|おすすめ8社をご紹介!レッドウィングにオイルを塗りすぎない方法
最後に、レッドウィングにオイルを塗りすぎないようにする方法を3つ紹介します。
レッドウィング以外の革にも言えますが、過度なケアは劣化を早める原因になるので気をつけてくださいね。
手入れの頻度を少なくする
レッドウィングのオイルを使った手入れはどのくらいの頻度でしていますか?
いろんなブログやサイトで「革の手入れは1ヶ月ごと」と書いているものがありますが、レッドウィングを月1回ペースで手入れしていたら、それは”やりすぎ”の部類に入ると思います。
使用頻度や革の状態によるので絶対とは言えませんが、レッドウィングはもともとオイルを含んだレザーが使われています。
そのため、オイルを使った手入れは一般的には年2〜3回程度でよいとされています。
「表面がカサカサしてきたかな?」「色が薄くなってきた気がする」など、乾燥し始めた頃にオイルケアをするのが最適です。
少しずつ塗り始める
私は元靴修理屋で、いろんな人の手入れを見てきましたが、ほとんどの人がオイルやクリームを塗りすぎていると感じています。
オイルやクリームを塗るのは指・布・ペネトレィトブラシなどになると思いますが、1回につけるのは米1〜2粒程度でOKです。
その量をまずは塗り広げていき、少しずつ足していくという塗り方がおすすめです。
少しずつ塗り広げていくことで過剰に塗るのを防げますし、少ない量を丁寧に塗り込む方が熱が加わって浸透しやすくなります。
オイルではなく乳化性クリームを使う
「ついオイルを塗りすぎてしまう」という人は、オイルでのケア回数を減らすためにも、乳化性クリームと使い分けするのもありです。
レッドウィングはモデルによって、オイルが良いかクリームが良いかが異なります。
乳化性クリームが推奨されているモデルへのオイル使用はNGですが(柔らかくなりすぎて型崩れします)、オイルレザーへの乳化性クリームの使用は問題ありません。
乳化性クリームはオイルほど革に浸透せず、革の表皮の保湿をおこなってくれるので、「そこまで乾燥していないけど、ケアしておきたい」というときにおすすめです。
レッドウィングにオイルを塗りすぎるとどうなる?元に戻す方法も紹介まとめ
レッドウィングにオイルを塗りすぎると、カビが生えやすくなったり型崩れしやすくなったりといいことがありません^^;
また、表面的にベタついたり汚れがつきやすくなったりと、デメリットが多いです。
今回紹介した方法でオイルを抜いて元どおりに近づけることはできますが、自分で洗うのはリスクが伴うのも事実です。
オイルを塗りすぎてしまって困っているという人は、靴クリーニングに依頼する方法がおすすめです。
完全に元どおりにするのは難しいかもしれませんが、自分で洗うよりも安全にオイルを抜くことができますよ。
レッドウィングのオイルを抜きたいと思っている人は、おすすめの靴クリーニングをまとめた記事も参考にしてください。
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